朝起きて、眠い目をこすり、あ~もう少し寝たいな・・

なんて思いながら1日をスタートする。

健康のためにトマトジュースを飲んで、
なんとなくテレビをつけて、
朝からの悲しいニュースに気持ちが少し沈んだり、

週末の天気が雨から晴れに変わっているのを見て、
一気に気持ちが急上昇したり。

そして、今日も頑張ろうと、家のドアを開けて
仕事に向かう・・・

そんな当たり前の毎日を過ごしていることが、
実はすごく、すごく、すごく・・
幸せなことなのだと、
思い知った瞬間があります。

私は25歳で最愛の母を亡くしました。
大好きな母でした。
彼女の優しさと包み込むような愛情があったから、
父とうまくやっていけない私も
家の中で楽しく過ごせていたのだと思います。
そんな家の中も自分の居場所だと思えたのだと思います。

母は私が社会人になりたての春に
末期がんであることがわかりました。
そこから2年半におよぶ闘病の末、
52歳の誕生日を目前に控えた12月1日、
世の中は現雅子皇后の第一子愛子様の誕生で
賑わっているまさにその日、母は天国に旅立ちました。

亡くなる年の10月、1日だけ母は外出を許可されました。
父が母を迎えに行き、家に戻ってくるのを待つまでの間、
私はずっとそわそわしていたのを覚えています。

そして、「ぴんぽーん」と家のチャイムが鳴ります。
私の緊張は最高潮です。

「ただいま」

と母が、家の中に入ってくると
「やっぱりおうちが一番良い」とぽつりとつぶやきました。

それから、病院に戻るまでの、たった数時間の
宝物の時間を、私はリビングで、
お母さんとゴロンと寝転んで、過ごしたのを今でも忘れません。

私はあのとき、

「ただいま」

を聴けた瞬間が
人生の中で一番尊い時間であり、
尊い言葉に感じたのです。

当たり前に言い続けた「ただいま」
でも、その言葉を何の心配もなく
不安もなく、
聴けることがどんなに幸せなのかと。

「あたりまえ」が「あたりまえ」であることの
本当の意味を、
私たちはもっとかみしめながら、
生きる必要があるのかもしれません。

だからこそ、
私は、この仕事を通じて
多くの人たちに、
「いま」味わえている「あたりまえ」の幸せを
感じることを伝え続けていきたいと思っています。